微分方程式メモ (3)
今回は次近似解の誤差評価について。
微分方程式メモ(1)で得た不等式
でとして、区間で
を得る。この不等式は次近似解の誤差評価となっている。しかしこの評価法では何度も積分の評価を繰り返す必要があり、いつも実用的な方法であるとは限らない。
別のやり方を考えてみよう。の近似を初期条件を満たす区間上で微分方程式の解を見つけることができるようなものであるとする。正数はを満たすとする。そしてを初期条件を満たすにおけるのuniqueな解とする。この時、
リプシッツ条件より以下の不等式が導かれる。
ゆえに、とおくと、
上の不等式の右辺のをこの不等式で評価すると、
ここから紆余曲折あって上で任意のに対し
であることが言える。
この不等式の右辺をとすれば、第1項はに一様収束し、第2項はより小さくなる。
実際、
よって、での近似解の誤差評価は以下の不等式で与えられる。
次回は積分定数について書く予定だが数式を打ち込むのに疲れてきたので飛ばすかもしれない。